腰痛のお話

●腰痛
●下肢痛
●下肢のしびれ・冷感

このような症状でお悩みの方は…


腰椎椎間板ヘルニア

このような症状がある方は、年代によっても異なりますが、若年・中年の場合「腰椎椎間板ヘルニア」が疑われます。


腰椎椎間板
「腰椎椎間板ヘルニア」とは…
5個の腰椎(骨)が椎間板というクッションの役割をした軟骨で連結され、その後方部が脊柱管といわれその中に馬尾神経が入っており、軟骨部が突出してきて神経(馬尾神経・神経根)を圧迫しその部分に炎症が起こって腰痛・下肢痛を引き起こす病気です。
要因は…
不明な点が多いのですが、次のようなものが考えられます。
●重労働者 ●ヘルニア素因のある人 ●スポーツをする人 ●姿勢が悪い人 ●外傷を受けたことがある人等が挙げられます。
特に次のような症状の方は一度診察を受けることをお勧めいたします。
●腰痛・下肢痛のため同じ姿勢が苦痛で保てない。
●日常生活に支障があるが我慢している。

当院での診断、治療について紹介いたします。

受 診

<診察時のチェックポイント>
  • 腰痛・下肢痛の部位、動作や姿勢との関係
  • (圧痛・筋力低下・知覚障害・腱反射の低下)の有無の確認
  • 歩行時の姿勢や歩行距離の確認

検 査

<診断方法(画像診断)>
  • X線撮影
  • MRI
    ヘルニアの形、大きさ等を確認します。
  • 脊髄腔造影、椎間板造影、神経根造影
    ヘルニアの位置、神経根圧迫の程度を確認します。
◆MRIとは◆

従来の診断装置(レントゲン・CTスキャン)とは異なり、X線ではなく磁石の力によって体の中の器官や構造を自由な断面で画像化します。したがって、脊髄や関節の検査方法としては、最も優れているといえます。

MRI装置
腰椎のMRI

外来での治療

<急性期>
腰部固定帯
<慢性期>

急性期の治療に加えて、骨盤牽引・温熱療法・運動療法、その他ヘルニアで圧迫されている神経を直接ブロックしたり、ヘルニアに炎症を抑える薬剤を注入する療法があります。

骨盤牽引
温熱療法
運動療法
症状の改善

効果がない場合

入院での治療

入院は関連施設である「しのぶ病院」となります。

(しのぶ病院は、田島整形外科より車で10分程度、送迎も行っております)

患者さんの疾病や症状により保存的療法又は観血的療法となります。
一応入院期間は3週〜2ヶ月位となります。


保存的療法

入院期間は症状にもよりますが、3〜4週間位となります。


手術(観血的療法)

医師の診断により手術の適応、術式はことなりますが、主な術式を紹介します。

経皮的腰椎椎間板摘出術
局所麻酔で行います。手術時間は30分。
筒状の針を腰部の後外側から椎間板に挿入し、その針の中に特殊な摘出器具を通して椎間板内の髄核の一部を摘出します。
腰椎椎間板ヘルニア 横断図


当院長の手術実績は、現在、約3000例です。
術後の経過
手術当日 手術後安静時間 6〜8時間
ベルト装着で起立、歩行ができる
3日目以降 座位、シャワー可能、リハビリ開始
2週目以降 外出・外泊可能、短時間の車の運転
4週目以降 腰痛体操開始、ベルトを徐々にはずす
6週目以降(退院後) ベルトを完全にはずす
※ただし、上記術後の経過は一般的なもので、医師の許可のもとですすめていきます。

椎弓切除・後側方固定術 ヘルニオトミー
全身麻酔で行います。手術時間は2時間。
腰部後側を切開しヘルニア部分を切除し、切除後の椎間板の上下の腰椎の後側方部を患者さん自身から採取した腸骨を用いて写真のように左右両側から固定します。
手術前
手術後
当院長の手術実績は、現在、約5000例です。
この手術は「腰椎椎間板ヘルニア」以外にも適応します。
術後の経過
1週目以降 横向きになれる、ベット上でのリハビリ
2週目以降 コルセット装着での起立安定後歩行訓練
特殊トイレでの排泄
3週目以降 座位・洋式トイレ使用・シャワーが可能
4週目以降 階段の昇降訓練
6週目以降 外出、外泊可能
2ヶ月目以降 短時間の自動車運転
4ヶ月目以降(退院後) コルセットの胸当てが外れる
6ヶ月目以降 コルセットを徐々にはずす
腰痛体操開始
※ただし、上記術後の経過は一般的なもので、医師の許可のもとですすめていきます。

退 院

田島整形外来の定期的通院 リハビリテーション


<日常生活での注意>


外来にて詳しい指導、パンフレットの配布を行っております